効果的な勉強法

1.過去問の精読で出題傾向を見極める

マンション管理士の出題分野は多岐に渡ります。毎回10問以上は出題される重要科目や、1問出題されるかどうかわからないものまで含めて、ざっと数えあげてみましょう。

区分所有法、民法、民事訴訟法、破産法、民事執行法、宅建業法、車庫法、郵便法、警備業法、下水道法、水道法、浄化槽法、電気関連法、消防法、マンション標準管理規約、マンション標準管理委託契約書、建築基準法、都市計画法、不動産登記法、マンションの建替えの円滑化等に関する法律、被災区分所有法、マンション管理の適正化の推進に関する法律といった法律の他、会計・税務・簿記、建築設備、建築構造、維持保全…。

これだけ数えてもまだ全てではありません。非常に困難なことではありますが、受験者は、これらの法律や建物をめぐる専門知識のすべてを俯瞰した上で、まず出題の傾向を読み解く必要があります。そして、出題傾向を探る上で最も役立つ材料は「過去問」なのです。

前ページでは、勉強開始後の2カ月は準備期間と述べました。少し乱暴に思えるかもしれませんが、私はこの期間に、基本テキストではなく、まず過去問を2~3回通読することから始めることをお薦めします。試験の歴史が浅く、出題傾向も変わりやすいとはいえ、2001年(初回)からの過去問を見ると、そこにはやはりある一定の予測がつけられるからです。

過去問を通読する作業が終わりますと、みなさんのバックグランドにより、各々に適した勉強法が定まってくるはずです。マンション管理士の試験は法令問題が主軸であるのはたしかです。しかし、法学部出身の方のなかには、最もパワーを注ぐ必要のある法の解釈が、それほど苦にならない方もいるかもしれません。また建築業界でお仕事をされてきた方なら、10問前後は出題される設備の分野については、再確認をする程度で準備が済んでしまうかもしれないのです。

いずれにしても、勉強スタート後の早い時期に傾向を見極め、みなさんなりの対策を確立してしまうことが肝心です。そのためには、まず過去問の精読から始めるのが効果的です。


2.基本テキスト←→過去問集の往復学習>

ここではインプットの効果を上げるセオリーを完結にお話しします。

それは「一問一答」を繰り返すことです。

過去問を通読した後に、基本テキストの通読(2~3回)をすることは、もちろん欠かせないプロセスです。しかし、テキストの通読では、知識の定着をそんなに期待してはいけません。通読は、あくまで全体像を見渡すための準備に過ぎないのです。

知識を定着されるためには、数ページだけテキストの内容を理解するごとに、セットでその部分に該当する過去問を解くことです。つまり「答えを見ながら問題集を解く」ということです。
このやり方ですと、問題が解けなかったり、あるいは4肢それぞれの設問の意味が理解できないことで、知識や理解が曖昧であることに気づかされます。その曖昧さを埋めるよう、またテキストに戻るようにするのです。

このやり方ですと、予め2001年からの過去問(400問)を、少なくどんな問題がどこにあったか把握しておかなければなりませんし、学習の進み具合を調整する必要もあります。最初は、大変で手間が掛ると思われるかもしれません。
しかし、矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、実力をつける上で大切なのは、効率を重視することではなく、習得の度合いのみを意識して前へ進むことです。
またマンション管理士の試験には、50問中38問を正解できれば、ほぼ確実に合格できます。テキストと過去問を一問一答で繰り返しているうちに、”捨ててもいい個所”や”後回しにするしかない分野”も見えてくるはずです。
優秀な方であっても、テキストに網羅されている内容、一字一句漏らさず頭に詰め込むことはできません。ですから、テキストと問題集は、常に並行して勉強するようにしてください。