いまのマンションに永住しないといけない?

このページでは、日本のマンション事情から、マンション管理士の仕事の将来性について見てみましょう。キーワードとなるのは、「供給過剰」、「少子高齢化」、「住宅の転売」、「生活コミュニティー」などです。

日本のマンションは、実はすでに10年前から供給過剰の状態に入っています。それでもなぜ新しいマンションが建設され続けるのでしょうか?理由は単純で、デベロッパーは開発しつづけないと事業が成り立たないからです。
そしていまは少子高齢化の時代ですから、全国の世帯数はこの先自ずと少しずつ減少していきます。「住む人のいない空家のマンションが増え続ける」、そのことが一つ目のポイントです。

さてバブル期以前の分譲マンションは、「買い換えのステップを踏む住宅」でもありました。結婚をした若いカップルが2DKのマイホーム取得からスタート。お子さんが生まれて3LDKに、そして、最後は一戸建を購入してゴールイン。経済が右肩上がりだった時代には、そうしたマイホームの買い替えが可能だったのです。つまり多くのご家族にとって、かつてマンションは決して”永住する我が家”ではなかった。これが二つ目のポイントです。

しかし今ではこのような買い替えはできません。バブル期のように黙っていても不動産の資産価値が上がる時代ではないことがひとつ。また供給過剰の市場ですから、一次取得者であっても、誰も郊外の中古マンションを好き好んで購入したりはしません。
このようなことが起きていますから、取得より10年~20年を経たご家族のなかには、マイホームプランが外れてしまった方も少なくないでしょう。いま住んでいるマンションに買い手がつかなければ、新しいマンションや戸建てを購入して引越すことはできるはずがないですから。つまり多くの家族は、いま住んでいるマンションに「永住」するよう、人生を軌道修正する必要があるのです。

よろしくないことかもしれませんが、これまで多くのマンションの管理が、管理組合任せ、もしくは管理会社任せにされてきた背景には、そのような理由(住み替えへの期待)があったのではないかと思います。「いずれは引越すことになる仮住まいなら、自分の部屋だけ快適に過ごせればいい。面倒なことにはなるべく関わりたくない」と、居住者の多くが考えてしまうのはムリのないことかもしれませんね。

しかし、いま事情は明らかに変わっています。マンションを購入して暮らしているご家族の多くは、そこを「永住」の空間にしなければなりません。そして、適正な保全をしないまま築20年以上を経過すると、マンションは激しく痛んでいきます。たとえば30代でマンションを取得した居住者が、そこを永住の場所とするには、建物が少なくとも50年位は安心・快適に暮らせる状態でないと困ってしまうわけです…。