マンション管理士は、これからの「マンション管理組合」には欠かせないアドバイザーです

5年後、あるマンション管理組合で議題になりそうなシーンを想定してみましょう。

マンション管理組合理事長:「復旧・修繕計画として、主要水道管の全面置き換えと、公共通路部分の天井・床の張り替え、および屋上階部分の塗装修繕が必要であると考えています。一戸あたりの臨時負担金額は165万円になります。住民のみなさんには年額55万円、3年分割で納めていただく計算になります。着工は再来年度4月開始を目途にしてはいかがでしょうか」。

組合員A:「それは事が大きすぎはしませんか?ひとまず水道管工事のみで処置して、公共通路の修繕は先延ばしでも構わないのではないですか?」

組合員B:「このマンションには定年退職されたご家族がたくさん住んでいます。3年間165万円の徴収計画には、どう考えても無理があり過ませんか?」

組合員C:「そうよ、それに毎月の積立金も滞納している入居者もいらっしゃるそうじゃないですか。なんか真面目に払っている方がバカを見るみたいでやりきれません!」。


ちょっと大袈裟に作り話をしてみました。いえ、これから5年・10年先にマンション管理組合の方々が向き合わなければならない現実は、実はもっともっと重苦しいものかもしれません。

戸建て住宅の屋根の瓦を張り替えるにはどれくらいの予算が必要でしょう?
キッチンなど家庭内の水回りを新しくしたいと思ったらお金はどれくらい掛るでしょう?
築20年、30年を経たマンションの多くには、そのような問題が、もっと大きな規模で重くのしかかってくるのです。

しかも集合住宅の公共部分の修繕には、住居者の総意(5分の4以上)が必要になります。そのよう重大な事柄をとりまとめるには、建物や法律の知識はもとより、資金計画・お金の徴収等をとりまとめるマネジメント力や、交渉力・コミュニケーション能力などのすべてが必要になります。その先頭に立ち問題を解決するのが、マンション管理組合と顧問契約を結ぶ、独立して事業を営むマンション管理士と考えてください。

マンション管理士は、「マンション管理組合」と「マンション管理会社」の間に立ち仕事をします。しかし、あくまでマンション組合サイドに立ち、居住者のみなさんの快適な暮らしを支援します。
冒頭のメイクストリーでは、物語風に意見を対立させましたが、現実には、マンション管理組合員は、理事長さんのよき理解者・協力者であるはずです。「上水道に不純物が混じるかもしれない」というような重大な問題の前では、人は争ったりせず速やかに解決するよう協力し合うものです。しかし、お金の問題から目を逸らすことができないこともまた事実です。

マンション管理士は、マンション管理組合のそうした会議や打ち合わせ等を、専門知識を活かしリードします。
「この人なら頼りにしてもまちがいない」という信頼を組合から得られれば、顧問契約はずっと継続するでしょう。集合住宅をとりまく問題は、決して老朽化だけがすべてではないからです。老朽化の問題がハード的な要素だとしたら、暮らしやすいコミュニティー形成や住民間トラブルの解消のことなど、ソフト的な要素もマンション環境にはたくさんあります。そうした人の温かい部分を形成するために一役買うことも、マンション管理士には求められているのです。