5年、10年先、日本のマンションに訪れる深刻な事情

いまから5年、10年後、かならずやってくる”深刻な住宅事情”があります。それはマンションの老朽化です。現在、日本全国でマンションの供給戸数は約500万戸、マンションで生活をしている人は1200万人を超えています。実に、国民の10人に1人がマンション派という時代なのですね。

さて購入した時は新築であっても、建物は年々確実に老朽化していきます。日本全国のマンション500万戸のうち約25%は、すでに築20年を超えています。築10年以上となりますと、なんと500万戸の半数以上がその対象に入ってしまうのです。
そして建物(マンション)は、これまでの手入れの度合いにもよりますが、築30年あたりから、大規模な修繕や復旧を検討する必要がある、と一般的にいわれています。

人は自分個人のことであっても、5年先、10年先のこととなると、そんなに差し迫った問題として考えられないものです。ましてお金がからむことで50軒~100軒の家族の合意が必要な決め事となると、問題解決のために自分から手を上げる人はまずいないでしょう。マンションの長期修繕計画のことです。

そのため、どの部屋に住む人にとっても”大切な我が家”であるはずなのに、決めごとはマンション管理組合任せで、定期的修繕は管理会社任せ…。老朽化を防ぐために最も大切な「長期修繕計画」のシナリオを持たないままのマンションがほとんどなのです。

分譲マンションには、居住者の代表で組織された「マンション管理組合」が必ず存在しています。日本中ですとその数はいまおよそ10万組合です。不況とはいえ集合住宅の建築は続いていますので、今後もその数は増え続けます。そして2001年度に試験がスタートしたばかりのマンション管理士の実登録者数は、今はまだ1万5000人ほどでしかありません。

これは机上の計算でしかありませんが、10万組合を母数に単純割してみますと、今現在では、一人のマンション管理あたり10組の管理組合からの市場ニーズがあることになります。1管理組合あたり80戸と低く見積もってみても、800戸のご家族が対象になる計算です。

お伝えしたいのは、マンション管理士業界は、これからの市場であるということです。ご存じかもしれませんが、歯科医や税理士の世界、またコンビニオーナーなどの市場はすでに飽和しています。優秀な人が難しい試験をパスして開業しても、「市場飽和の前では、食べていくのにも苦労する」という現実は、きびしく存在しています。

マンション管理士の市場はその逆です。たしかに現在はまだ認知度が低く、道を切り開くのも大変かもしれません。しかし近い将来のことを考えますと、飽和の真逆で人手不足、むしろ引く手あまたの状況が訪れると考えるのが正しいでしょう。

なぜなら、建物は、マンションは年々確実に老朽化するからです。